(3)没入体験の性質とその効果との関連性

 没入体験の性質とその効果の関連をみるために、フロー状態尺度およびピーク状態尺度と、没入効果尺度の相関分析を行った。その結果、すべてにおいて0.1%水準で有意な相関がみられ、フロー状態尺度の平均が高い人ほど、またピーク状態尺度の平均が高い人ほど、没入効果尺度の平均も高いことが示された。

 特に、フロー状態尺度においては「快感情と動機づけ」との相関が、ピーク状態尺度においては「自己や環境への肯定感」、次いで「創造的能力の拡大」との相関が強く、フロー体験はポジティブな感情や動機づけを促すと認知されていること、ピーク体験は自分や周囲に対する肯定感や創造的な能力を促進すると認知されていることが示された。




 また、フロー状態尺度のどの因子が、「快感情と動機づけ」と関連しているかを検討するため、重回帰分析を行った。その結果、「自己目的的経験」、「明確なフィードバック」、「注意の集中」が、「快感情と動機づけ」を説明する要因として適切であることが示された。

 このことは、快感情と動機づけをともなう没入体験の条件は、@行為そのものが目的になっていること、A自分が適切にふるまっているかどうかについての明確な手がかりがあること、B注意を集中していることであることを示している。


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