7月10日(土)曇りときどき晴れ 利尻島・鴛泊FT→礼文島・香深FT


 さすがに疲れていたようで早起きは断念。7:30頃ようやく起き出して、またまた感動の朝ごはんを食べていると、若旦那がぶらりと現れて「ウニ剥きやってるよ」と教えてくれた。前日、私と同い年の女将さんに、「海が凪で漁協の許可が出たら、ウニ剥きをしているから見にきたら」と言われていたのだ。そういえば、明け方、町のスピーカーから「波が出てきたので、ウニ漁を終了します」という放送が聞こえたような気がする。

 行ってみると、奥さんが「もう来ないかと思った」と残りわずかになったウニをヘラのようなものですくっていた。見ているだけで気持ちのいい単純作業。期待どおり、若主人が「ホレ」と割ったウニを手渡してくれた。うっ、ウマ〜イ!(ジーーン)雄と雌でまた味がぜんぜん違う。生食いは雌が、ウニ丼は雄雌混ぜるのが美味しいのだそうだ。「ちょっと水で晒すと、これがまたウマイんだ」と水道水で晒したものまでサービスしてくれた。ああ、ここに泊まれて本当によかった!


宿の前で初めて目にしたリシリヒナゲシ

採れたてのウニをいただく

真ん中が女将。おばちゃんもイカシてる!

標高93mのペシ岬

ペシ岬展望台から鴛泊港をのぞむ

反対側を見れば鴛泊の町の全貌が

 フェリーの出航まで小一時間あるので、ペシ岬を散策して岬の麓にあるギャラリー&カフェでコーヒーを飲む。地元の写真家が写した1月から12月までの利尻を見ていると、自然に関わって暮らすことの厳しさと喜びが同時に伝わってくる。

 出航30分前に港に着くと、礼文島に渡る乗船客でごった返していた(特に中高年の団体客!)。寒くてレインウェアを着込まないではいられない。それにしてもこんなに素敵な島なのに、どうして若者があまりいないのだろう?

 40分ほどで礼文島の香深(かふか)港に到着。礼文島は交通の便が悪く、事前にレンタカー屋に問い合わせると、なんと6時間で16,000円以上かかるという。実際に港の周辺で聞いてみても3時間8,000円だというので、バカバカしくなって車はやめにする。タクシーの送迎で桃岩展望台コースを歩いた後、本当はあまり好きではないが、足がないので定期観光バスで島巡りをすることにした。


ウミネコにエサをやる乗船客

霧の中の桃岩展望台トレッキング

キタノコギリソウ。礼文のはピンク色だった。

桃岩展望台コースからの猫岩

コクのあるサハリンビールと珍味トドのテッピ

その名の通りの澄海岬

 トレッキングは残念ながら霧で展望なし。花もとっくに終わっていて、タクシーの運ちゃんによると、今年は6/10くらいが最盛期だったという。残念だけど、「超割」利用だから仕方ないか。港に戻ってバスの出発を待つ間、小腹が減ったのと暖をとりたいのとで、港の2階の食堂に行ってみた。思いのほか、サハリンビールとトドのテッピという、鯨のベーコンの酢味噌和えのような料理が美味かった。ぜひおみやげに!と思ったが、日持ちがしないようで手に入らず、代わりにトド肉の大和煮の缶詰で我慢する。

 午後は3時間で、海底まで見える透明度の澄海(すかい)岬、礼文島最北端のスコトン岬、そのものの形の猫岩、桃岩を効率よく周り、今回の旅最後の宿、民宿はまなすのお兄さんに港で拾ってもらった。ここも昨日ほどの量ではないが新鮮なウニ付きだったので、半分はそのまま、半分は最後にウニ丼にして美味しくいただく。食事を終えるとちょうど夕暮れ時。宿は礼文島の最南端にあるので、利尻島がよく見える。近くのカランナイ岬までぶらぶら歩いていくと、ちょうど日が沈むところだった。明日はもう帰るだけなので、なんだか名残惜しくて金色の雲が灰色になるまで眺めていた。


スコトン岬。向かいはトド島

猫岩の背中

桃岩の中心には桃の種が・・・

ハマナスも終わりかけ

斜光の中の漁船と利尻岳

お花畑に夕日が沈む

 7月10日(土)曇り 礼文島・香深FT→稚内FT→稚内空港→羽田空港


3度目にして、すごーい揺れを体験
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