北岳

planning by kanchan
【DATA】
登った日 2006/8/20(日)-21(月)

メンバー 4名 (usa, miho, chie, kanchan)
山の高さ 3193m
 登った高さ 1693m
フリー素材:伸びるライン画像 山頂にて
mihoさんのレポート!

からっぽクラブ2006夏合宿は日本第二の高峰「北岳」です。
今回の参加者は4人。
かんちゃん、千恵さん、うさちゃん、とワタクシ美穂です。
わたし以外の3人はいずれ劣らぬ健脚揃いなので、
足手まといにならないようにとちょっぴり緊張しての参加です。

土曜日のうちに、かんちゃん家に集合し、
日曜日は朝3:00起床。3:40出発です。
芦安5:10発のバスに乗って広河原まで行きます。
その後の行程は次の通り
(小休止は記録していません。)


【1日目】
06:10 広河原バス停着 歩き始める。
06:40 広河原山荘を出発 登山届提出
08:40 二俣着 休憩
09:15 二俣発
09:35 八本歯のコルへの最初の梯子手前着 休憩
09:45 八本歯のコルへの最初の梯子手前発
12:55 山頂着
13:45 山頂発
14:10 肩ノ小屋着 


広河原山荘への吊り橋手前から、既に北岳が望める。
遙かに見える山頂まで、これから歩いていくのだと思うと
ワクワクと、ドキドキとが一緒になって気持ちを抑えるのが大変だ。

かんちゃんが先頭でペースを刻む。
それはそれは、とてもゆっくりしたペースで、楽に歩ける。
(と、思ったのも最初だけ。 ワタシにとっては3時間後にはそのペースでもやっとのアリサマ・・・)
大樺沢ぞいの登山道は崩落があったとかで、
年に二度北岳に登るかんちゃんも知らない新しいルートができている。
大急ぎで造ったコースのようで、少し歩きにくい。
沢沿いのルートは、登山道を水も流れていて涼しげだ。

木立の道から視界が開けて雪渓が見え始めるとやがて、二俣に到着。
バイオトイレのバッテリーの音が響く。
遙かに見える山頂が、霧の中に入ったり出てきたり、まるで「早くお出で」と
手招きをしているかのよう。
北岳は、要所要所で山頂が見えて「おいで、おいで」をしている。
そうすると、どんなにキツイと思っていても「行くよ、行くよ」って足が前に出る。
(これはホント。そういう意味ではいつまでも山頂の見えない山よりずっとラク)

「ここからが本番だよ〜♪」
かんちゃんがみんなに気合いを入れる。
わたしにはここまでだって十分登っている感じなのに、本当にキツイのは
ココカラなんだって・・・

たしかに、きつかった。
とったルートは左俣コース。雪渓やバットレスを見ながら歩き、
八本歯のコルに向けて階段を上るコースだ。
ガラガラ、ゴロゴロ、雪渓脇の石ころ道を過ぎてなおも歩き続ける。
その間の道のようすを詳しく書こうと思ったけれど、よく思い出せない。
ハッと顔を上げたらバットレスがどーーーーんと聳えていたり、
おばさま達のパーティを追い越したりしたんだけれど・・・
たぶん、歩くのに必死で、ある意味でホントにからっぽだったんだろう。
「空」の状態で歩いていたようだ。
それから、ハシゴ・はしご・梯子・・・ 中にはほとんど垂直なのもある。
でも、そこを抜けると・・・天空のお花畑。

千恵さんとうさちゃんは、ひとつひとつ花の写真を撮りながら歩いている。
キタダケソウこそ咲いてはいなかったけれど、キタダケトリカブト、ハクサンフウロ
センジュガンピ、チシマギキョウ、シナノキンバイ、ミヤマハナシノブ、ウサギギク
タカネビランジ、タカネシオガマ、マルバコゴメグサ、トウヤクリンドウ・・・e.t.c.
かんちゃんと千恵さんに教えてもらった花だけでも覚えきれないほどの花が
厳しい環境の中、可憐な花を咲かせていた。
「北岳は花の山」
かんちゃんが言うとおりだ。

お花畑に感激しながら歩いているうちに頂上が近づいてくる。
今までの足の疲れもナンのその、自然と歩みがすすむ。
山頂は曇っていて、期待していた360度の展望はなかったけれど
気持ちは、ここまで来たのだという充足感でいっぱいだった。


【2日目】
04:20頃 千恵さん 再度頂上へ
05:00 御来光 
05:30頃 千恵さん 肩ノ小屋着
06:30 肩ノ小屋発
08:30 二俣着
09:00 二俣発
11:00 広河原山荘着
12:20 広河原発(バス)


朝4時過ぎ、北岳は2度目の千恵さんは前回も山頂が霧の中だったこともあり
しばらく迷ったあげく、早朝の好天を期待して再度頂上へピストン。
他の3人は肩ノ小屋の前から御来光を臨んだ。

夜明け前、暗暁の雲海の向こうに富士山が見え始め、他の登山者から
「富士山だ、富士山だ」
と、声が挙がる。
やがて、地蔵ヶ岳のオベリスクよりも南、薬師ヶ岳の辺りから陽が昇り始める。
空の色、沸き立つ霧、雲海が刻々と姿を変えいつまでも見飽きることがない。
鳳凰三山、仙丈ヶ岳、甲斐駒ヶ岳、八ヶ岳・・・次第に周辺の山々がその姿を現し始める。
山に、高峰に登る人々ならではの恍惚の時が流れる。

名残を惜しみながら肩ノ小屋を、北岳を後にする。右俣コースをゆっくり下る。
途中で何度も何度も北岳山頂を、遙かな富士山を確認する。
ゆっくりゆっくり下ったのに、あっという間に下ってしまった。

二俣で休憩をしたときに、かんちゃんがペースについて教えてくれる。
「北岳は最初が楽に歩けるから、張り切って最初からハイペースで登っちゃって、
ホントにきつくなるころに歩けなくなる人が多いんだ」
きっと、かんちゃんがペースを作ってくれなかったら、そういうひとりになっていたと
思う・・・ワタシ。
 先達はあらまほしきことなり・・・(「徒然草」)

無事下山後、かんちゃんおすすめの「桃の木温泉」旧館へ。源泉かけ流しの硫黄泉は
わたしたち4人で貸し切り状態。なんて幸せなんだろう。

そんなこんなで、西穂高岳以来のからっぽクラブ夏合宿は無事に終了。
個人的には高峰の登山は久しぶりだし、トレーニングも不足気味だしで、
最初に書いたとおり、みなさんの足手まといにならないようにと、
それだけを心がけていた山行だったけれど
よい仲間に恵まれて、心から楽しんだ3日間だった。
かんちゃんとかんちゃんママには大変お世話になりました。
それから千恵さん、うさちゃんも、今回同行の3人とわたしは全くの初対面だったにも
関わらず、長年の友人と一緒のように楽しく登れました。
ありがとうございました。

余談ですが、あまりの名残惜しさからか、翌日から3日間、
筋肉痛が「北岳」を忘れさせてくれなかった。
とほほ・・・
以上、「北岳」報告でした。



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